- いい
- I
いい【井伊】姓氏の一。 江戸時代, 近江彦根の譜代大名。 遠江国引佐郡井伊谷に豪族として拠を構えたことに始まる。 関ヶ原の功で近江の居を得, 代々徳川家に仕える。IIいい【伊井】姓氏の一。IIIいい【依依】名残おしく離れがたいさま。 恋い慕うさま。IV
「~たり恋々たる心持ちである/草枕(漱石)」
いい【依違】あいまいであること。 どっちつかずの態度をとること。V「~逡巡(シユンジユン)」「斯る猥瑣の是沙汰に女々しく~するは/くれの廿八日(魯庵)」
いい【唯唯】※一※ (ト|タル)さからわないで他人の言うままになるさま。 唯々諾々(イイダクダク)。「~として従う」
※二※ (感)同意・承諾を表す語。 丁寧な返事に用いる語。VI「衆愚之愕々たるは, 一賢之~には如かず/太平記 16」
いい【好い・良い・善い】〔形容詞「よい」の終止形・連体形ヨイが近世にエイ(エエ)を経て転じたもの。 現代の話し言葉では終止形・連体形には, 普通, イイが用いられ, 改まった場面ではヨイが用いられる。 特に, 俗語的な表現ではもっぱらイイが用いられる〕「よい」に同じ。「赤いのと青いのとあるけど, どっちが~・い(=ドチラヲ選ブカ)?」「宝くじの一等が当たると~・いなあ」「~・い暮らし(=豊カナ暮ラシ)がしたい」「もうそろそろ着いても~・いころだ(=着イテ当然ノ時刻ダ)」「この車はあと~・いとこ(=長クテモ)三年しかもたないだろう」「~・いかい(=ヨクワカッテイルノカ), これが~・いと言ったのは君自身なんだよ」「~・いざまだ」「~・い年して(=フサワシイ年齢デハナイノニ)何ですか, そのかっこうは」
︱慣用︱ 気が~・気味が~・小気味が~・調子が~・人が~・間が~・虫が~・要領が~いい鴨(カモ)よい獲物。 こちらの思うつぼにはまるような人物をいう。いい薬一時つらくても結局その人の身のためになることがら。VII「失敗が~になった」
いい【委蛇・逶迤】〔「いだ」とも〕うねうねと長く続くさま。VIII「~たる長阪を登る/日光山の奥(花袋)」
いい【怡怡】喜び楽しむさま。IX「煕煕(キキ)として語り~として笑ひ/佳人之奇遇(散士)」
いい【易易】たやすいさま。 困難のないさま。X「それくらいは~たることだ」
いい【楲】池などから水を流すために地中に埋めた木製の樋(トイ)。 戸を開閉して水量を調節する。XI「鳥も居で幾よへぬらむ勝間田の池には~の跡だにもなし/後拾遺(雑四)」
いい【謂】(1)言うこと。「それは事情を知らない者の~だ」
(2)(「…のいい」の形で)いわれ。 わけ。 意味。XII「日暮れて道遠しとはまさにこの~であろう」
いい【遺意】故人の意志。XIII「父の~を継ぐ」
いい【飯】米を蒸したり, 炊いたりしたもの。 麦・粟(アワ)などにもいう。「家にあれば笥(ケ)に盛る~を/万葉 142」
Japanese explanatory dictionaries. 2013.